よろずや電話相談室

「はい、もしもし。
　どちら様でしょうか？」

「はいサザエさん、えっ！？サザエさんって、あのサザエさんですか？」

「あ、やっぱりあの日曜6時半のサザエさんですか〜」

「で、サザエさんがこの『よろずや電話相談室』にどのようなご用件でしょうか？」

「あ、はい。ふむふむ。あ、それ困りますよね〜。」

「伊佐坂先生の原稿締切日になるたびにノリスケにアポなしで
　押しかけられたんじゃたまったもんじゃないですよね。
　いや僕もね、サザエさんいっつも大変やなぁ思ってたんですよ」

「で、そのノリスケ対策に何か今されてることってあります？」

「はい、はい。あぁそれはまずいというか意味ないんじゃないかと思いますよ」

「玄関に『猛犬注意』って貼ったところでノリスケはお宅で飼ってるのは
　ネコであることぐらい知ってますから。
　彼もアホじゃないんでね、ええ。」

「もう少し策を練ればいいんじゃないですか？
　『セールスお断り』みたいな感じで『ノリスケお断り』ぐらい貼ってみてはどうでしょうか？」

「あ、早速やってみると。ありがとうございます。友達減りますよ、直接過ぎますからね。」

「え？まだ悩みがあるんですか？」

「はい、はい。あぁ、なるほど。」

「最近タラオがうざい、ですか。切実ですねぇ、それ」

「で、どういった点がうざいんですか？」

「あ、はい。えぇ、えぇ。あぁなるほど、深刻ですね〜」

「タラオが歩くたびに効果音がなりやがる」

「確かにねぇ。テレビで見てる分には別にうざくないですけど、
　毎日家で、となるとうざくなってくるかもしれないですね」

「え？何か対応策を教えてくれ、ですか」

「そうですね、家の中でも靴かなんか履かせとけば
　ちょっとはマシになるんじゃないですかね、知りませんけど、はい。」

「あ、早速やってみると。ありがとうございます。部屋汚れますよ、掃除頑張って下さい」

「え？もう一つ悩みがあるんですか？」

「はい、はい。あぁなるほど。それは大変だ」

「『お父様の残り1本の髪の毛に、最近力がない』ですか」

「ふむふむ。でも、本人が一番気にしてるから、誰も何もしてあげられなくて不憫だ、ですか」

「そうですね、難しい問題ですね。
　けどこの際、ビシッと言ってあげた方がいいかもしれません」

「『往生際悪いで、どうせもう時間の問題やし、抜いたら？
　抜いてもホラ！横のほうにはまだ毛あるやん！
　両サイドバックはまだまだ健在やから大丈夫やって！』
　って言ってみてはどうでしょう？」

「あ、早速言ってみると。ありがとうございます。家庭崩壊しますよ、気をつけて下さい」

「あ、悩みの方は以上ですか。どうもありがとうございました」