3回勝負！

バイト先の塾で中学3年生の男子生徒を教えているときのこと。

ちなみに、教科は英語である。


どうやらわからない単語が出てきたらしい。

俺は辞書を取りに行くよう促す。
（辞書は、席からやや離れた棚に並べてあり、自由に利用できるようになっている）


生徒「先生取りに行ってきてや」

俺　「は？何でやねん。はよいけ」

生徒「じゃあじゃんけんな！」

俺　「じゃあ　の意味がわからんけどまあええわ。はいじゃんけん、」

生徒「あ、ちょっと待って。3回勝負にしようや！」


勝負を簡単に決められるのが魅力なじゃんけんを、
なぜやたらと長期化させようとするのか。


俺　「めんどいわ。1回でええやん」

生徒「1回はあかんわ。俺今日じゃんけん弱いねん」


どういう意味でしょうか？
この生徒は今日一日で強い弱いを分析できるほどじゃんけんしまくってるのか。


俺　「わかった。じゃあまず1回勝負か3回勝負かを決めるじゃんけんしよか」


いったい俺もなんちゅう提案をしたものか。
1回勝負をするために1回じゃんけんしようなんて、明らかにおかしい。
生徒もこんな不毛な提案にのってくるはずがない。


生徒「おう！そうしよ！」


のってきた！！！！！


そしてじゃんけんの結果、俺が勝利。


俺　「はい。じゃあ1回勝負な」


この不毛なやりとりを、前後のブースで耳にしているであろう講師や生徒は
どうとらえているのだろうか。


そしてこの1回勝負となった結果、俺が負けておめおめと辞書を取りに行く・・・
というのが話としては結びやすいのだが、
俺が勝って生徒のほうがうなだれつつ辞書をとりに行くこととなった。


どうやら彼は、この日ほんまにじゃんけん弱かったようだ。