キリン−32少年の事件簿 地下鉄編
2002年12月25日どうやら完全に通勤ラッシュとかぶってしまったようだ。
ラッシュアワーな気しかしなかった。
俺が改札を通ってホームに降りると、電車が止まっているのに
もはや乗れないぐらい人がごったがえしていた。
あきらめて次の電車を待つことに。
ほどなく電車はやってくるんだが、知らぬ間に俺の後ろにはきれいな2列の行列ができていた。
電車が到着。
中から人があふれ出す。
自然と行列はドアの左右に1列づつきれいにわかれて、
その間を電車から降りてくるはげちらかしたおっさんたちが通っていく。
その様子は、卒業式が終わって在校生が作った花道を卒業生が通っていくようだった。
「わしゃ在校生かい!」
とつっこんだりするはずはさすがになく、俺は電車に乗り込んだ。
発車する頃にはやはりギュウギュウになっていた。
俺の目の前には一人のサラリーマン。
いたって普通のサラリーマン。
普通すぎて同窓会に呼ばれなかったり、
呼ばれたところで名前を間違えられたりしてそうだ。
普通やのに、普通なはずやのにどことなく違和感が・・。
熟考の末、俺は気づいた。
「押し込められすぎて鼻とドアとの距離が2センチぐらいしか離れてない」ことを。
俺が少し押せば、いや、軽くふれるだけでも
この人はドアに鼻をぶつけてしまうだろう。
ちょっとおもしろそうだが、この人にはなんの罪もない。
俺は無事を祈った。
そのとき、車内アナウンスが!
「電車がカーブいたします」
いやな予感しかせん!!
カーブにさしかかった瞬間、乗客の波が一気に傾く。
そのとき、ついに見てしまった・・・
そのサラリーマン、完全にドアに鼻をつぶされている・・・
もうちょいのところでドアに唇まで奪われそうになっていたが、
それだけはサラリーマンのプライドで回避したようだ。
そして、サラリーマンは何食わぬ表情で下車していった。
ラッシュアワーな気しかしなかった。
俺が改札を通ってホームに降りると、電車が止まっているのに
もはや乗れないぐらい人がごったがえしていた。
あきらめて次の電車を待つことに。
ほどなく電車はやってくるんだが、知らぬ間に俺の後ろにはきれいな2列の行列ができていた。
電車が到着。
中から人があふれ出す。
自然と行列はドアの左右に1列づつきれいにわかれて、
その間を電車から降りてくるはげちらかしたおっさんたちが通っていく。
その様子は、卒業式が終わって在校生が作った花道を卒業生が通っていくようだった。
「わしゃ在校生かい!」
とつっこんだりするはずはさすがになく、俺は電車に乗り込んだ。
発車する頃にはやはりギュウギュウになっていた。
俺の目の前には一人のサラリーマン。
いたって普通のサラリーマン。
普通すぎて同窓会に呼ばれなかったり、
呼ばれたところで名前を間違えられたりしてそうだ。
普通やのに、普通なはずやのにどことなく違和感が・・。
熟考の末、俺は気づいた。
「押し込められすぎて鼻とドアとの距離が2センチぐらいしか離れてない」ことを。
俺が少し押せば、いや、軽くふれるだけでも
この人はドアに鼻をぶつけてしまうだろう。
ちょっとおもしろそうだが、この人にはなんの罪もない。
俺は無事を祈った。
そのとき、車内アナウンスが!
「電車がカーブいたします」
いやな予感しかせん!!
カーブにさしかかった瞬間、乗客の波が一気に傾く。
そのとき、ついに見てしまった・・・
そのサラリーマン、完全にドアに鼻をつぶされている・・・
もうちょいのところでドアに唇まで奪われそうになっていたが、
それだけはサラリーマンのプライドで回避したようだ。
そして、サラリーマンは何食わぬ表情で下車していった。
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